子どもを犯罪からまもるために
"誘拐"は子どもを持つ親なら一番恐れることです。
「知らない人にはついていっちゃだめだよ。」「ママやパパから離れちゃだめだよ。」
いくら子どもに言い聞かせても、心配がなくなることはありません。
子どもは「はーい。」「わかってるよ。」と返事をするけれども、実際そういう場面になったらちゃんと対処できるのでしょうか。
子どもにしてみても、いくら親に言われたってわからないと思うのです。
わるい人がどういうふうに自分に近づいて、ついていったらどうなるのか。
実際に被害に遭うのは困るけれども、もう少し具体的なイメージが伝わるすばらしい絵本があるんです。
こちら、岩崎書店の『とにかくさけんでにげるんだ』。
本屋さんで見つけて即買いしました。
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さまざまなシチュエーションを子ども目線で
この絵本は、子どもが危険に巻き込まれるいくつかのエピソードが描かれています。
子どもが経験談として語る口調で書かれているので、大人目線で言われるよりも現実味があるのでしょうか。
この絵本を読み聞かせているときのわが家の子どもたちは、いつになく真剣です。
≪書かれているエピソード≫
①デパートで迷子になってしまったときどうするか
②公園で知らない人に「おかあさんが呼んでいるから車で行こう」と言われた
③マンションの郵便受けで、掃除のおじさんにからだを触られた
④旅行中のホテルで、知らない人に「ゲームをさせてあげるから部屋においで」と言われた
⑤親戚のおじさんに、ゲームだと言って服を脱がされたりした
相手が大人でも、強い心で勇気をもって拒絶することがなによりも大切だということ。
知っている人でも油断してはいけないということ。
旅行中など慌ただしく疲れているときほど、注意が必要だということ。
まるで本当にあったかのような詳細なお話なので、子どもは本当に怖くなって真剣に聞いてくれるのです。
性犯罪について
エピソードの中で性犯罪の割合が多いことに驚きましたが、実際、子どもが巻き込まれる犯罪の中で大きな割合を占めているのだと思います。
女の子はとくに心配ですね。
性犯罪の話は親子でもすすんでしたいものではありませんし、そもそも小さい子にはどう話したらいいのかもわかりません。
でも、だからこそ親子の間でオープンにしておかないと、子どもも防ぎようがなく、またなにかあった時にひとりで抱え込むことになってしまいます。
ほんとうに嫌な話ですが、親子で自然に話せるきっかけになってくれました。
親子で話し合えることが予防に
この本の終わりに書かれています。
こういった犯罪について普段から親子で話していて、なにかあった時に親に話しやすい関係性を持てている子どもは、被害に遭いにくいそうです。
大人でもわるい人がいるという警戒心や、自分にはママやパパがついているという自信がそうさせるのかもしれません。
小学生になれば、いつもいつも親と一緒というわけにもいきません。
自分の身は自分で守れるように、強さと知恵を身につけてあげるのも親としての義務だと思いました。
とにかくさけんでにげるんだ わるい人から身をまもる本 (いのちのえほん)
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