『閻魔堂沙羅の推理奇譚』シリーズ
閻魔堂沙羅は死んだ人が天国へ行くか地獄へ行くかの裁きを下す閻魔大王の娘で、閻魔大王が仕事をお休みするとき、代理を務めます。
死者の中には「背後から刺された」など自分がなぜ死んだのかわからない人がいて、沙羅はそういう人とゲームをします。
10分間で犯人を当てられたら生き返ってやり直すことができる、当てられなかったら地獄行き・・。
基本的には、死んだ人の紹介➡謎解き➡答え合わせという1話完結ものの短編集です。
ミステリーとして面白いのは、閻魔堂に来た時点で本人がわかっていることだけで犯人を言い当てられるという前提があることです。死んだ人は、捜査とかできませんからね。
読者としては、与えられたヒントの中に必ず答えがあると言われると当てたくなります。けっこう真剣に考えてしまうので、頭を使うし楽しめます。
すでに分かっている事実の中に犯人がいるということは、生きているときに見落としていた何かがあるということです。よーく考えれば、間違えずに済んだのです。生き方であったり、大切な人との関係であったり…。
登場人物たちは、死ぬことによって自分を顧みる機会を与えられたわけですが、実際にはそんなことはありえません。
取り返しのつかないことになる前に、もっと注意深く、ていねいに、生きていきたいものだと思いました。
設定は森絵都の『カラフル』に似ていますが、ミステリー要素を多めに配分した感じです。大変面白かったです。
女子がハマるポイント
思春期の女子がハマるポイントとしては、沙羅が極上に美しくとてもオシャレな服装をしているところでしょうか。毎回、服装の細かい描写があります。
さらには、仕事場の閻魔堂が真っ白のスタイリッシュなオフィスであること、父閻魔大王が仕事を休む理由が、腹痛であったり釣りであったり・・とコミカルな要素が含まれることでしょうか。
ミステリーのトリックは古今東西変わらないかもしれないけど、こういう部分が「今の子」に受けるのだろうなぁと思いました。
ちなみに、この作品はNHKでドラマ化されるというニュースがありました。沙羅が全然ファッショナブルじゃないのが気になりますが・・。
(引用)
『薬屋のひとりごと』
コミック版もありますが、わが家は小説版で。
昔の中国っぽい国を舞台にした、王宮内で起こる事件をお毒見役が解決していくという物語です。自然界にある毒の話がたくさん出てきて、理科の勉強になります。
登場人物が多く人間関係が複雑、しかも中国っぽい漢字の名前で覚えにくく、東大王で出題されそうな難読漢字がふり仮名もなしに頻出するなど、わりと難解な部類に入る本なのではないかと思います。
読書が得意な長女でも、「続けて読まないと内容がこんがらかる。2回くらい読んでやっとちゃんと理解できる。」と言っています。
やけにイケメンの宦官とのラブストーリー的な展開もあり、今どき女子のハートを掴んでいます。
長女は最新刊の9巻まで読み終えていますが、わたしは2巻で挫折しています。まとまった時間がとれたら読みたいです。
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『君たちは今が世界』
年に一度、「中学受験に出る本」みたいなワードで検索して、読んでおくべき本を調べます。
先日、一気に20冊くらい借りてきて、読んでもらいました。
朝比奈あすかの『君たちは今が世界』は話題になっていたので私も読みました。
こういう、等身大のお話はさらっと読むだけのことが多い長女ですが、この本は眉間ににしわを寄せて何度も読み返していました。
長女のクラスは学級崩壊などしていませんが、いろいろと思うところがあるようです。長女にとっては、今属しているクラスが「世界(すべて)」なのでしょうねぇ。
『半沢直樹』シリーズ
「流行っているから気になるけど、おじさんドラマに10時間も費やしたくない。」といって原作を読んでいます。
長女は読むのが速いので、1時間で読める内容にどうして何時間もかけなきゃいけないんだということで映画・ドラマよりも原作派なのです。
とはいっても、半沢直樹はドラマでないと楽しめない部分があるので、顔芸や決め台詞のシーンだけ飛ばし飛ばしで見せてあげました。おかげで学校の話題についていけたと感謝されました。
今の子には今の本がある
幼稚園から小4まで、長女が読む本はわたしが適当に見繕って与えていましたが、小5くらいからは好みがはっきりしてきて、自分で選ぶようになりました。
親が読書好きの場合、自分が子どもの頃に気に入っていた本を子どもに薦めてしまうことがよくあると思いますが、それも善し悪しです。
ストーリーは面白いはずでも、登場人物の言葉遣いやファッションなどが時代遅れだったりして現代っ子には受け入れてもらえないことがあります。(どの小説が時代遅れとはあえて言いませんけれども)
今の子には、今の本があるんです。そしてそれは、おばさんであるわたしが読んでもとても面白かったりします。
娘におすすめされた本を読むというのも、子育ての楽しみの一つだなぁと思います。
(あ、もちろん、純文学や歴史物など色褪せない名作もたくさんあると思います!)
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