漢字検定、何年生で何級とればいい?
中学受験をするにあたって、入塾前に漢字検定を進めておくことは常識になりました。
では、いったい何年生までに何級まで取得すればよいのでしょう。
上を見れば限りがなく、わが子のやる気はなく、あとでラクをさせてあげたいという母の想いは空回りです。
ここでひとつ冷静になって、最低限どこまでやったらいいのか、それさえできなかったらどうすればいいのかを考えてみたいと思います。
スポンサーリンク
低学年が勝負!
中学受験で漢字の問題に対応するのが目的ならば、6年生までの漢字(漢検5級)を早い段階から習得する必要があります。
中学受験塾では、たいてい漢字学習のための副教材があり、小学校とは違う独自のスケジュールで小4~小6くらいまでの漢字を学習していきます。
といっても授業中に練習させてくれるわけではなく、授業の始めの漢字テストや、週テスト・カリキュラムテストなどでの出題に備えて自習するというスタイルです。
つまりは、自分で時間を作って覚えなくてはなりません。
しかし、通塾を始めると、通塾及び塾の宿題に膨大な時間を使います。わが家の経験では、それだけでいっぱいいっぱいでした。
コツコツとスキマ時間を活用するといった高度なテクニックを有する小学生は少数派だと思うので、たいていの子は漢字まで手が回らなくなります。
そこで、通塾前の低学年の間が勝負です。
算数の抽象的な概念や論理的思考能力は、どうしても脳の自然な発達を待たなければならない場合があり、子どもの個性によって先取りに限界があります。
一方、漢字は覚える作業中心なので、論理などは必要ないので、算数よりは先取りしやすい(はず)です。
天才じゃなくても、ある程度勤勉な子なら、小3で漢検5級は難しいことではありません。
まとめ:漢字の先取りは低学年が勝負です。通塾が始まったら、漢字検定に費やす時間はありません。
漢字を覚えるメリット
漢字を覚えると、漢字の問題を落とさないこと以外にも良いことがたくさんあります。
漢字と言ったら字を覚えるわけですが、5・6年生の漢字になってくると、意味の抽象的な漢字が熟語になって登場します。
だから、熟語の意味ごと覚える必要があり、語彙の勉強にもなるのです。漢字の勉強をしながら自然と語彙力がついてくるとは、なんと効率的。
語彙力アップを目指すなら4級以上に挑戦するのも良いかと思います。
難しい熟語を多く知っていれば、読書レベルもおのずと上がっていきます。ちょっと大人の本も、抵抗なく読めるようになるでしょう。
また、漢字を知っていると、漢字以外の教科の先取りができるようになります。
国語・理科・社会で上の学年のテキストに挑戦しようと思っても、読めない漢字があったらやる気を失います。
学習内容自体には興味があって理解できそうなのに、テキストが読めないのではもったいない話です。
先取りするならまず漢字から、と言われるのも納得です。
スポンサーリンク
わが家の三者三様
しかしながら、小学生を相手に物事が理想的に進むことはほとんどありません。例として、わが家の子どもたちの漢字学習の様子をふり返ってみたいと思います。
case1; 高校1年生
現在と比べると牧歌的だったような気がする時代の中学受験生。
漢字は1~2学年先取りできればいいかなーとのんびりやっていたら、小3の秋に突如通塾することになり、全く進まなくなりました。
小4で退塾したので漢検を再開し、受験勉強と両立しながらぼちぼちと、小5で5級を取得。
常に"少しだけ先取り"している状態だったので、漢字で困ることはありませんでした。
中学入学後に、4級・3級・準2級・2級を取得。
中学生になると、日常的に難しい漢字や熟語に触れる機会が多くなり、2級までなら特別がんばらなくても覚えられるみたいです。
準1級以上は別で、見たこともない旧字体とか四字熟語とかでてくるので、そう簡単には取れないそうな。
case2; 小学6年生
わが家の子どもたちで唯一の勤勉な人。
年中で10級、小1で7級、小3の夏休み前に5級まで進みました。
本人に尋ねたところ「ここまでにしておく。」とのことだったので、『漢字の要』や『でる順』など受験対策用の問題集をぐるぐる回しています。
そこで大変なことに気付きました。
受験用の漢字問題集、難しい!
5級取ったばかりなのに、わからないのけっこうある!
漢字検定は、読み書きについてはわりと素直というか、わかりやすい問題が出題されます。(書き順や音訓なんかはマニアックですけどね)
受験の漢字はちょっと捻っているというか、意表を突いたところを聞いてきますね。そして、ときに5級を超えて中学生で習う漢字が混ざっていたりします。
私立を受けるのだったら、4級以降に進むよりもまず受験用問題集ですね。餅は餅屋。『漢字の要』ですよ!
わが家は公立一貫志望なので、その場合は教育指導要領をはみ出したりしませんから、5級までで事足りています。
でも、『漢字の要』は奥が深くて、大変勉強になりました。
case3; 小学4年生
地味な漢字練習を忌み嫌う人。
漢検受験は不可能。
学校の漢字テストはだいたい1問間違い。
家庭学習では手に負えないお方なので、小3より早稲田アカデミーに放り込まれています。
毎週の宿題となっている『漢字とことば』にて、なんとか・・。
スポンサーリンク
覚える方法ではなく、覚えられる時期を見極める
中学受験に備えた漢検取得の理想的なペースは、先に書いたように小3の入塾前(2月)までに5級です。
年長で10級、小1で9級8級、小2で7級6級、小3で5級といった配分でしょうか。
しかし、漢字は覚える作業中心とはいえ、熟語を理解する国語力やそもそものやる気など、子ども本人にも都合があります。子どもはそれぞれ、能力も性格も、やる気の出る時期も理由も違います。
子どもにとって全然"今じゃない"時に、親がいくらお尻を叩いて漢字の書き取りをさせても非常に効率が悪いのです。
低学年で5級以上の先取りができる子は、勤勉かつ従順な子です。
従順でない子は、自分の頭で考えて「今の自分には必要ないから、やらない」と判断しているので、その子が「やった方が良い」と判断するまで待つしかないのです。
子どもの脳は成長期の真っ最中なので、今できないことが半年後にはスイスイできるということもよくあります。
親に出来ることは、先取りのメリットを説き続けることと、子どもの脳の発達を見逃さないこと。子どもがその気になった時にすぐ対応できるよう、いつも準備をしておきましょう。
結局、公式テキストが一番使いやすい気がします。
5級に到達したら、演習問題で完璧に!