暗記ではない理科
公立中高一貫校の適性検査では、マイナーな知識を問うような問題はありません。
遊びや料理や家事を通して、日常的に触れている理科的現象を考察するような問題がよく出ます。
子どもは、理科の教科書は完ぺきに理解していても、それを生活レベルに落とし込めていないということがよくあります。
だから、理科は、教科書ではなく生活の中で起きている!ということを実感させてあげることが一番の対策になるのではないかと思います。
白玉は浮沈子!
白玉団子を茹でている時「浮いてきたら出来上がり」といいますが、あれってどうして浮いてくるのでしょう。
それは、白玉の中に含まれる空気が温められて膨らんで白玉の体積が大きくなり、密度が小さくなるからです。
出来上がった白玉を氷水に入れると今度は沈みます。これは、白玉の中の空気が冷やされて縮み体積が小さくなり、密度が大きくなったからです。
この現象、どこかで聞いたことがありませんか? そう、浮沈子です。ペットボトルの中の"たれびん"が、浮いたり沈んだりするあれです。⇊
浮沈子は、たれびん中の空気が押し縮められたり戻ったりすることによる密度の変化を利用したものです。
おもちゃとしては面白いのですが、原理的なことはいまいちピンときません。
白玉の場合は、「浮き上がるってことは、中まで温められたってことだから出来上がりなんだね!」と、子どもにとって必要な判断条件になるのでよく覚えるのです。
水餃子やてんぷらも同じ原理です。
子どもが理解したら、「ビーチボールの空気が抜けると沈んでしまうのはなぜか?」など、身近な例を増やしていったらよいと思います。
※調べたところ、白玉の中の空気ではなく水分が水蒸気に変わったという説もありました。どちらにしろ、温度の上昇による体積の増加ということですね。
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カレー粉の缶は?
空き缶を捨てる時、きれいに洗ってとりあえずビニール袋にまとめておき、スチール缶かアルミ缶か、子どもに仕分けてもらっています。
たいていの缶には材質が表示してあり、ジュース類はアルミ、ツナ缶やサバ缶はスチールとわかってきますが、中にはいくら探しても表示のないものが!それは・・
カレー粉!
「ママ、これどっちか書いてない」「磁石で調べてみてー」「そうか!」
と、磁石を近づけてみると、
「くっついたー!!」
ということで、スチール缶だということがわかりました。
電気を通すのは金属全部、磁石がくっつくのは鉄だけ。ややこしくて覚えにくいですよね。テストに出たら、カレー粉のことを思い出してくれるかな。
※手を切らないように!ってしつこく言いましょう。
アイスクリームを食べるときは
カチンコチンに凍ってしまったアイスクリームを食べる時、
- プラスチック
- 木
- 金属
など材質の異なるスプーンをいくつか渡してみて、どれが一番食べやすいか聞いてみましょう。金属スプーンが一番食べやすいはずです。
それはスプーンの持つところからすくうところへ手の熱が伝わってアイスクリームが溶けるからです。
金属は、プラスチックや木に比べて熱が伝わりやすいという性質があります。(熱伝導率)
だから、かたいアイスは金属スプーンを使って、手の熱で溶かしながら食べるといいね。スプーンの下の方を持ったら、もっと早く溶けるかもよ。
などと言いながら食べるわけです。
ついでに、熱の伝わり方には「伝導」の他に「対流」と「放射」があります。
エアコンの吹き出し口を冷房の時は上向き、暖房の時は下向きにするのは、冷たい空気は重くて暖かい空気は軽いからです。(対流)
オイルヒーターやたき火の暖かさが上だけに行かずに横に伝わるのは、熱が空気を素通りして人にあたるからです。(放射)
洗濯ものは水平に
休みの日は、子どもが洗濯物を干してくれることがあります(アルバイト制100円)。5人家族なので洗濯物は大量です。
わが家では、このような ⇊ ピンチハンガーをいくつも使って干しています。
そのとき、適当に干していると左右の重さが違って傾いてしまいます。傾いていると、洗濯物同士の間隔が狭くなってしまうので乾きにくくなります。
だから、できるだけ水平になるように、左右の重さが同じになるように干さなくてはなりません。
そこで、てんびんの考え方の出番です。
同じタオルでも、中心に近い場所に干したらほとんど傾きませんが、端っこに干すとすごく傾きます。
水平に干すには、左右の同じ場所には同じくらいの重さのものを干したり、靴下のような軽いものを傾き調整に使ったり、バスタオルやお父さんのズボンなどは重いですからどこに干そうか慎重に検討したり、しなければなりません。とても頭を使います。
中心から遠いほど大きな力が加わるという原理が、すんなり理解できます。
お手伝いをしてもらえてお母さんも助かり、一石二鳥です。
アサガオのたねを放置していたら
去年の夏、ベランダでアサガオを育てていて、たくさん花が咲きました。
夏が終わってもまだまだ花が咲き、次々と種ができるのですが、そのうち飽きて放置していました。
すると秋になって、ベランダの排水用の溝にアサガオの双葉を発見しました。うっすら水は溜まっているものの、土はないし日も当たらないのに!
そう、発芽の条件は 1.水 2.空気 3.温度 なので、土も日光も必要ないのです。
その後、理科の先取りで種子のところを勉強しましたが、発芽の条件は「アサガオが発芽しちゃってたアレだね!」ということで、経験を伴った理解をすることができました。
お金も時間も手間もかからない、家事のついでの実験教室です。
他にもいろいろありますが、また今度にしたいと思います。お読みいただきありがとうございました。
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