ママ塾で偏差値70!

幼児の頃から家庭教育を続け、小3(6月)の全国統一小学生テストで偏差値70。その後、早稲アカA特待・日能研スカラシップに認定され通塾しました。

【映画で世界史】『オッペンハイマー』原爆の向う側の景色

高校1年生の娘と

満を持して日本公開となった『オッペンハイマー』。原爆を作った科学者のお話です。

R15指定でしたね。これは原爆描写のためではなく、一部性的なシーンがあるというのが理由だったようです。

わりと公開直後に行きましたが、客層はおじさん多めで若者少なめ。

娘(15才)「この中で、わたし最年少じゃね?」 母「R15だから」 娘「エモ!」

難解すぎるクリストファー・ノーラン

クリストファー・ノーラン監督の作品を観たことがありますか?

時間の流れが普通でないのが特徴で、とても難解です。でも、新作が発表になるたびに話題になる人気監督です。

初期の『メメント』では時間が逆行していて、ラストシーンから始まって始めのシーンで終わります。

『インターステラー』は宇宙空間での時の流れの速さの違いや時空の歪みなどが重要なファクターとなって展開する物語。

『インセプション』は他人の夢の中に侵入して潜在意識のアイデアを盗むというストーリー。夢の中で見ている夢の、そのまた夢・・と何層も深く潜っていって、今どこにいるのかわからなくなってくる不思議体験。

『TENET』では、時間軸を「行って、戻る」というさらに複雑な構成で、私の頭は完全に混乱に陥りました。

イギリスの撤退戦であるダンケルクの戦いを描いた『ダンケルク』は、史実をもとにしているという情報を頼りに辛うじて理解できました。が、3つの時間軸が同時進行している醍醐味を堪能できた自身はありません。

ノーラン監督の作品を観ると、自分の脳みその至らなさに忸怩たる思いがいたします。それでも毎回チャレンジしてしまう魅力があるんですよねー。

そんなノーラン監督作品ということで、娘が3時間も耐えられるのかな?という不安はありましたが、『オッペンハイマー』に関してはそこまで複雑な構成ではなく心配は杞憂に終わりました。

実在の人物のお話なので展開の予測が可能だったからだというのもありますし、時間軸によってカラーとモノクロをわけてくれていたのも親切でした。

3時間と長い映画でしたが、内容が濃く展開が速いので2時間くらいに感じました。

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『オッペンハイマー』あらすじ

アメリカの物理学者ロバート・オッペンハイマーは原子爆弾の開発責任者となり、ロスアラモス研究所において開発・実験を行います。

当時ナチスドイツも原爆の開発をしていて、先を越されないよう急ぐ必要がありました。

ドイツは降伏し日本に原爆を投下して第二次世界大戦は終了しますが、今度はソ連との冷戦が始まり、アメリカは赤狩りの時代となります。

原爆の破壊力を恐れ水爆開発の制限を訴えていたり、若いころに共産党とのつながりがあったことから、オッペンハイマーはスパイ容疑で取り調べを受け、研究ができなくなります。

嫉妬心からオッペンハイマーを陥れた人物であるストローズは、その後の公聴会により失脚し、オッペンハイマーの名誉は回復します。

以上がおおまか過ぎるあらすじです。

原爆開発の想定する敵は、最初はナチスドイツで、戦後はソ連なんですよね。日本に落とすために作られたものではないというところに運命の皮肉を感じます。

オッペンハイマーの女性関係や個人的な生活、原爆開発の罪悪感、アインシュタインとの関係やストローズとの確執の理由なんかは、書いていたらきりがないので映画を観ることをおすすめします。

向こう側からの景色

『オッペンハイマー』では、原爆を落とされたヒロシマやナガサキの悲惨さが描かれるシーンはあまりないのですが、そのことを不満に感じている日本人の感想が多いことに驚いています。

だって、アメリカ映画だよ?オッペンハイマーの伝記映画なのよ?

彼が原爆を作った過程、心の葛藤、戦後の立場などが主なストーリーであるわけで、ストローズなんて日本とは全然関係ないですからね。

オッペンハイマーにはオッペンハイマーの人生があり、原爆開発による日本に対する責任だけが彼の人生ではなかったということです。

『硫黄島からの手紙』のアメリカ側ストーリー『父親たちの星条旗』という映画があります。

日本では敗戦色濃く総動員だ玉砕だと悲惨な状況になっている時期に、アメリカでは戦費調達のため英雄を祭りあげキャンペーンを行っていて、戦場になっているわけでもないので普通の生活を営んでいます。

『ザ・パシフィック』というアメリカ側から見た太平洋戦争のドラマがありますが、勝っている米軍の方にも戦死者は出ていて、ひとりひとりの兵士の立場になってみたらとても怖かったんだろうということがわかります。

「日本兵は(どうせ負けるのに)なんで降伏しないんだ。万歳突撃超怖ぇ!」みたいなセリフがあって、確かに・・と思いましたね。

「原爆で日本は大変な目にあった」「アメリカ軍は楽勝」みたいな一面的な見方は怖いと思います。

物事は、こちら側とあちら側では全く異なる景色でできているし、国や集団の思惑と個人の気持ちもまた別のものです。

この映画で、原爆が開発される過程でのアメリカ側の事情や温度感を垣間見ることができ、勉強になりました。

また、この映画をきっかけに広島の原爆資料館に訪れる人が増えているのであれば、とても良いことだと思います。

  • おすすめ年齢:高校生~
  • 学べる時代:1900年代

 

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