ずっと直木賞が好きで、半年に一度の発表を楽しみにしています。
最近では、『地図と拳』(小川哲)に痺れました。まず、あの厚み。5cmくらいあったような。
日露戦争から第二次大戦の終わりまで、繋がった歴史の中でそれぞれの主観を持っていきる人々。
熱くて冷たい物語でした。
熱くて冷たいと言えば、『テスカトリポカ』(佐藤究)もすごかったです。
メキシコ➡インドネシア➡日本とくるくる舞台が変わってスケールが大きく、スリリングでした。
今年映画化されるという『宝島』(真藤順丈)は、夢中で読み過ぎて家事が疎かになりました。
登場人物が魅力的で、沖縄の戦後の歴史を知ることができて勉強に役立ちます。
満場一致で受賞したという『流』(東山彰良)。
ユーモアと郷愁とミステリーの絶妙のバランスが素晴らしく、こんなすごい本があったんだ!と、感動しました。
私の好みは、基本的に男性作家が多く、特に長ーい作品が好きです。
女性作家は中編が多いなと思うのですが、『しろがねの葉』(千早茜)や、『木挽丁のあだ討ち』(永井紗耶子)、『ともぐい』(河崎秋子)などは、完成度が高く美しい物語で好きです。
直木賞の候補作も全部読んで、やっぱりノミネート止まりの作品と受賞作は雲泥の差があるのよね。
などと勝手に批評して楽しんでいたのですが、近頃は今風というのか、軽い感じの作品が多くなってきているような気がしてもの足りません。
私が年をとったということなのでしょうか。
重厚なの、読みたい!長いの、読みたい!と切望する日々です。
本屋大賞や「このミス」などは、もともと若い人向けの作品が多く好きではありません。
上に書いたお気に入り作家の新作を待ちつつ、最近では、ピューリッツァー賞やブッカー賞などの海外作品を漁っています。
『オリーブ・キタリッジの生活』(エリザベス・ストラウト)はとても良かったです。
好きな本のことを、好き勝手に書いてみました。
三度の飯より本が好きで、人間よりも本が好きです。