めずらしく、ノンフィクションの本を手に取ってみました。
この本は、2014年に史上最年少でノーベル平和賞を受賞したマララ・ユスフザイさんの自伝です。
10代の少女が書いただけあって、小学生でも読みやすい平易な文章なのでどんどん読めると思います。
平成27年度の課題図書(高学年)にもなっていたようですね。
あらすじ
マララは、パキスタンの北部にあるスワート渓谷で生まれました。学校を経営していた父親の影響で勉強が大好きな少女でした。
ところが10才のころ、イスラム武装勢力タリバンが侵攻してきて、女の子が学校に通うことを禁止してしまいました。
町が不安と恐怖に支配される中、マララは立ち上がって「女の子が学校に通う権利」について発言するようになりました。
しかしそれによってタリバンに狙われ、銃撃を受けてしまいます。
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感想
マララは、普通で強い女の子
マララには弟が二人いて、毎日くだらないことでケンカばかりしています。
自分の顔や背の低さに不満をもったり、親友の機嫌を気にしたりする普通の女の子です。
そして、イスラムの国では女性は料理や掃除をしていればいいと教えられるけれども、マララは勉強が大好きで料理も掃除もキライでした。
マララを突き動かした信念は、自分が勉強したいというシンプルで強い希望(料理や掃除だけの人生なんてイヤ)だったのです。
でもその信念を、身の危険を顧みずに貫き通すことはなかなかできることではありません。
「正しいことをする人が、神に守られないはずがない。」
と、マララを導いた父親の教育のたまものだったのだと思います。
マララは頭と首などを銃で撃たれて瀕死の重傷を負いますが奇跡的に助かります。
わたしは当時ニュースなどでこの事件を知って、「そんなところを撃たれて、医療先進国でもない国でどうやって助かったのだろう」と思っていました。
実際マララは、パキスタンとイギリスの4つの病院を移動して、たまたま居合わせたイギリス人医師の治療を受け、航空会社の自家用ジェット機で運ばれ、パキスタン政府が治療費全部を請け負って助かることができたのです。
マララの信念が生んだ奇跡だと思います。
「銃で撃てるのは体だけ。わたしの夢は銃では撃てない。わたしの信念を殺すこともできない。」「わたしがまだ生きているのには理由がある。それは、わたしの人生を、人々の力になるよう役立てること。」(『マララ』より引用)
マララが強くなったのは、むしろ銃で撃たれた後なのかもしれません。
イスラム教とは
この本は基本的にイスラム世界のお話なのですが、小学生だと宗教の知識がまだないかもしれません。
世界地理も歴史も習っていないので。
服装やお祈りなどの生活習慣は長女も知らなかったのではないかと思います。
それでもストーリーとしては十分に理解できるのですが、宗教や世界情勢の知識があるとより深く感じることができると思います。
イスラム教やキリスト教。世界の文学を読むのにも、宗教の知識は欠かせません。
世界の宗教やニュースに関心を持つきっかけになれば、なお良いと思います。
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マララ・クイズ!
この本を読んだ後、長女に出したクイズです(*^^*)。
- マララのフルネームは (答)マララ・ユスフザイ
- マララの生まれた国は? (答)パキスタン
- マララは誰に撃たれた?またその理由は? (答)タリバン、女の子が教育を受けられるよう活動したから。
- マララ・デーは何月何日?またそれはどんな日? (答)7月12日、マララの誕生日で2013年のこの日にマララは国連でスピーチをした。
- 国連本部はどこにある?(答)アメリカのニューヨーク
- マララが現在住んでいるところは? (答)イギリスのバーミンガム
- マララが2014年に史上最年少で受賞した国際的な賞は? (答)ノーベル平和賞
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