英語どうする問題
中学受験において漢字検定・算数検定がとても役に立つという話をしてきましたが、英語検定はどうでしょう。
これが、まったく役に立ちません。
一部、英検を持っているだけで加点されたり英語の試験を選べたりという私立中学もありますが、いわゆる難関校・公立一貫校の試験・検査では英語は使いません。
よって、中学受験に英語は使わないという前提で話を進めていきたいと思います。
中学受験をするような教育熱心なご家庭では、幼少期から子どもに英語教育を受けさせていることが多いと思います。
ねんねの赤ちゃんに英語CDを聞かせてみたり。
英会話教室や公文、あるいはオンライン英会話で。
耳が柔らかいうちに、なるべく英語に触れさせようとがんばってきたのではないでしょうか。
小学校低学年から英検を受けさせ、小3くらいからは中学受験勉強と両立しながら、小5で3級まで取得したとします。
ところが小6になって、「はて、今年は受験なのだが、英語もやれるのかな?」っていう壁にぶつかりますよね。なんなら、小5でぶつかっていてもおかしくないです。
そこで、選択肢は3つ。
- ゴリゴリに両立させて、準2級を取る!
- ペースダウンして、英語力の維持に努める。
- 中断して、受験に専念させる。
わが家でナシなのは、1の完全両立です。
スーパーマンじゃないんだから。
これって、女性が今よく言われているような「正社員で働いて、子どもを2人以上産んで、家事もしてね!」みたいな政策とか、ヘトヘトのサラリーマンの人に「副業OK!」とか言っているような残酷さを感じてしまいます。
世の中にはひとつまみの、そんなことができるすごい大人や子どもがいると思いますが、自分の子がそんなにすごいのか、胸に手を当てて考えないとですね。
2のペースダウンは、場合によってはアリです。
1日5分か10分くらいの負担で、子どもが嫌がらずにまたは進んで取り組むような場合には良いのかなと思います。気分転換になるかもしれないし。
あるいは、志望校に対して子どもの学力に余裕がある場合、その余力を英語に割いても良いと思います。
でもたいていの場合は、受験するなら受験で手一杯ですよね。
わが家では、基本的に3の中断です。
スポンサーリンク
どうして受験科目に英語がないの?
そもそも、どうして難関中学の受験科目に英語がないのでしょうか。
中学に入った途端、英語はめっちゃ主要科目になるし、大学受験は理系でも文系でも英語が必須です。中1の時点で英語できる子が有利に決まっているのに。
それは、やっぱり、英語は中学から始めても大丈夫な科目だからなのではないかと思うのです。
英語は言語であって、英語圏に生まれれば誰でも話せるようになります。
つまり、時間さえ費やせば頭が良くても良くなくてもできるようになるってことです。
難関校は頭のいい子に来てほしいので、英語ではその能力を測ることができないから、試験科目にしないのです。
難関校の4科の試験に受かるような頭のいい子なら、小学生が先取りする程度の英語は1年くらいで習得してしまいます。ただの暗記ですからね。
やはり、小学生にとって大切なのは算数と国語です。
英語の早期教育の意味
そんなことを言うと、幼少期からやってきた英語教育はなんだったの?ということになりますね。
それは、まったくの無駄というわけではありません。
1年で追いつけるといったって、難関校に受かったならば周りはみな優秀です。その中で抜きんでようとするにはそれなりの努力が必要。
しかも、英語もしっかり進めてきている優秀層が確実に存在します。
そういうすごい人に戦う前から負けないために、幼少期の英語貯金は必ず役に立ちます。
または、子どもが難関校に行くほど頭脳明晰でない場合、努力がモノを言う英語で勝負をかけておくという手もあります。
追いつかれるとしても、早めにスタートしておけば抜かれないで済むかもしれません。「ウサギとカメ」のカメさん戦術です。
先ほどから言っているように、英語は初期の段階ではとても簡単です。幼児でも覚えられるくらいです。
小学校低学年にうちにそこを履修しておくのは、悪い選択ではないと思います。
では、どの程度まで進めておけばよいのか?
英検でいうと4級までは勢いでいけるようなところがあります。
3級になると文法が若干難しくなり、準2級になると覚えないといけないイディオムが多すぎて受験勉強の片手間にできるものではありません。
結論を言うと、小4で4級、できれば小5で3級までとって、小6は受験に集中というのがわたしのおすすめするプランでございます。
スポンサーリンク
わが家の子どもたちの場合
case1 高校1年生
未就園児のころから英会話サークルに参加したりしたけれど、本人の興味がなくて効果はあまりなかったように思います。
小3になって周りのお友達が英検を受け始めたことに触発され、独学でチャレンジ。しかもいきなり4級。
勢いで合格して、その後は公立一貫校受検のための勉強に専念しました。(合格)
中学に入ってからは、高校受験がないのでかなりのんびり。
英語の成績は良い方ですが、今度は難関大学を目指しているようなので、本腰を入れて勉強する必要あり。
ちょっと面白いんですけど、娘の学校は進学校なので勉強のできる人が素直に尊敬されます。この方たちは、おもに数学が得意。
それとは別に、英語だけ得意な「英語のエリート教育を受けてきた層」というのが存在するらしいのですが、この方たちはあまり地位が高くありません。
公立一貫校は自立精神旺盛な子が多いので、「ママにやらされてきた感」がマイナス評価になってしまうようです。
親にとっては「良い子」だと思いますけどね。
case2 小学6年生
幼少期から英会話教室で英語になじみ、そこそこ楽しんでいました。
年長の終りから公文で本格的に英語学習をはじめ、1年後の小1・2月に英検5級に満点合格。
➡【小1/2月】英検5級結果&公文やめた後の英語学習について。
4級以降はコロナで受けられないままになってしまっていますが、英語学習は中学3年範囲までを家庭学習でしました。
小5になって、いったん受検勉強に集中するため英語は中断。
余裕が出てきたので、中1英語から少しづつ復習を始めようかと思っています。
case3 小学4年生
英語どころか、漢字も計算も先取りをしてくれない頑固な方。
家庭学習は不可能なので小3より早稲田アカデミーに放り込まれている。一応SSクラスに在籍中。
英語は完全未経験なので、不安があります。どうなることやら。
後悔しないために
わが家の子どもたちのことはさておき、せっかく続けてきた英語学習を中断するのは勇気のいることです。
英検3級なんて何の資格にもならないのだから、もっと上の級まで取ってわが子の強みにしたい!って思ってしまうのも親心です。
中学に入ると、小6で英検2級を取得した人が必ずと言っていいほどいます。定期テストでも実力テストでも、英語無双状態です。
そんな話を聞くと「やっておけばよかったー!」って思ってしまいますよね。
一方で、英語学習を続けながら中学受験をして、第一希望の学校に合格できなかった友人を何人か知っています。
受験勉強の傍らで続けた英語は決して無理なものではなく、両立できる範囲だった。
英語を中断して受験勉強に専念したとしても、合格できたかどうかはわからない。
そう頭では理解していても、「欲張らなければ、もしかしたら・・」ってどうしても思ってしまうと思うんですよね。親も子どもも。
わたしは、そう思うことが、そう思わせることが、一番嫌だなと思っています。
受験勉強は小学生にとって大きな負担です。合不合はままならないものだけれど、せめて子どもが全力を尽くしたと思える結果であって欲しいです。
中断してちょっと忘れてしまったとしても、学んだ英語が消えてなくなるわけではありません。
再開すれば、意外と覚えてるもんだってなります。
小6の1年間で後れを取った分の英語なんて、1年頑張れば追いつけます。受験後の2月から猛スピードで頑張りましょう。
スポンサーリンク