森絵都の『クラスメイツ』は、2015年多くの学校が国語の入試問題に出題しました。
出題校は、学習院、学習院女子、海城、法政大学第二、日本女子大府、同志社女子など。ほんとうにたくさんですね。
学習院で使われたのは、『クラスメイツ 前編』の中の「夏のぬけがら」のようです。不登校の女の子とクラスメイトで幼馴染の男の子が、夏休みの公園で偶然会って・・心配なのに、うれしいのに気持ちをうまく伝えられないというお話。このお話の続きは、後編の別の主人公の物語で語られます。
この本が出版されたのは2014年なので、これからも頻出図書になるものと思われます。
あらすじ
中学校のクラスメイト24人のひとりひとりを主人公にした、24の短編集。前期・後期の2冊に分かれています。
時間軸は中学1年生の1年間で、さまざまな出来事・人間関係が24人それぞれの視点から描かれています。
「自分らしくありたい」でも「友達と比べてしまう」「ひとりになりたくない」という思春期らしい葛藤が、みずみずしくユーモアを交えて綴られている爽やかな作品です。中学1年生ということで、登場人物たちの気持ちもまだまだかわいらしい。
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作者について
1968年、東京都生まれの森絵都さん。森絵都さんと言えば、2006年に直木賞をとった『風に舞いあがるビニールシート』が有名でしょうか。
じつは私は森絵都さんの作品が大好きです。好きな作家さんの本を、子どもと回し読みできるなんて幸せです(^-^)。
もともと小中学生向けの作品が多い方で、1996年『アーモンド入りチョコレートのワルツ』や2003年『永遠の出口』は中学入試問題によく出ていました。
小中学生の微妙な心理を、温かなタッチで描いてくれるところが素敵です。
淡い恋のシーンが上品で、特に好きです。
『風に舞いあがるビニールシート』は男女の物語なので小学生向きではありませんが、難民キャンプで働く国連職員のお話。中学生になったら読ませたいです。
アーモンド入りチョコレートのワルツ (角川つばさ文庫) [ 森絵都 ]
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感想
そういえば最近こんな本を買いました。
『学校では教えてくれない大切なこと』シリーズの「友だち関係ー考え方のちがい」。
性格も考え方もみんなちがう。ちがうからケンカになることもあるけど、ちがいを認め合えばうまくいくよ!というようなことがマンガやイラストでわかりやすく書いてある道徳の本です。
このシリーズ、わが家の長女にもその友だちにも大人気のようです。
今は大人も子どももなんでもこういうマニュアル本があって、ほんとうに便利です。
でも、24人のクラスメイトの24通りの心を描いたこの作品からも、同じことが読みとれるんじゃないでしょうか。
マニュアル本もいいけれど、物語からも学びとってくれる感受性を育んでほしいと思いました(*^_^*)。
友だち関係(考え方のちがい) (学校では教えてくれない大切なこと) [ 藤美沖 ]
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