第24回日本絵本賞
日本絵本賞は、全国学校図書館協議会と毎日新聞社が主催する絵本の賞です。
もうすぐ、第24回日本絵本賞読者賞の投票期日ですね。(2月28日)
わたしは、絵本でも小説でも本はなんでも大好物なので、文学関係の賞には目がありません。
日本絵本賞の候補絵本も、借りたり買ったりしてすべて読みました!
どれもすばらしい作品でしたので、紹介したいと思います。
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1.あめだま
『天女銭湯 』で知られる韓国の人気作家ペク・ヒナの作品。
父子家庭の孤独な少年ドンドンが、魔法のあめだまを舐めることでまわりのものや人の心の声が聞こえるようになります。
口うるさいお父さんの本当の気持ちや、天国のおばあさんの声。ドンドンは、自分から一歩踏み出す勇気を出すことができました。
読み聞かせしていたら、絶対に泣いてしまう王道の絵本です。
2.おたんじょうびの2つのたまご
勝手なクラスメイトたちに、お誕生日会を台無しにされてしまったジンジャー。
たったひとり、ジンジャーの気持ちに寄り添ってくれたのは意外な人物でした。
本当の友だちは、いつどんなきっかけでできるかわからないということを子どもに教えてくれる絵本です。
3.おなじそらのしたで
すべてのページに切り抜き部分があり、次のページにつながっています。
都会のねこも、草原のライオンも、氷の上のペンギンも、みんなおなじそらのしたで生きている。
絵がとてもきれいで、眺めているだけでも癒される絵本。
4.ガラスのなかのくじら
大きな水槽に住んでいるクジラのウェンズデーは海を知りません。ジャンプした時に少しだけ見える"ブルー"が自分を呼んでいるような気がする・・。
なんどもなんどもジャンプして、やっとたどりつくことができた「海」。
自分を縛るものを取っ払って、飛び出す勇気を描いた絵本です。
メッセージは意外と深くて、幼児よりも大人の方が考えてしまうかもしれません。
でも、努力を重ねて自由を勝ち取るウェンズデーの姿は爽快で、子どもでもうれしくなるでしょう。
5.きょうがはじまる
朝起きて、その日の服装やすることをひとつひとつ選んでいく参加型の絵本。「きみの一日はきみが決めていい。」というメッセージが込められています。
ストーリー性はないので好き嫌いはあるかもしれません。
妄想好きな次女にはたまらないようで、なんども読んでいました。
6.きりん きりん
「きりん」をテーマにした詩の絵本。
鮮やかな絵とリズムのある詩が楽しいです。
"からだのもようは うまれたときにもらったひみつの地図"なんて素敵ですね。
7.くらやみのゾウ
ペルシャの古い詩をモチーフにしたお話です。
大商人のアフマドがインドから連れてきた大きな生きもの。くらやみの中でそれに触ったひとびとは、「ヘビだ」「木だ」と大騒ぎ。みんな、自分が触ったほんの一部分ですべてを決めてしまっています。
偏見の愚かさを皮肉っぽく描いた、昔話らしい作品です。
8.心ってどこにあるのでしょう?
大御所・いもとあやこさんの絵本です。
心ってどこにある?「むね」「あたま」「しっぽ」とみんな思い思いのことを言います。
子どもと一緒に、一度は考えてみたいテーマです。
9.じてんしゃのれるかな
自転車の練習をしているけれど、なかなか乗れない「ぼく」。
ある日いつものように練習していると、タイヤがにゅるっと伸びていろいろなものに変身し「ぼく」を応援してくれる!
これは「ぼく」の脳内イメージ。
楽しいイメージが次々と展開して、あっという間に自転車に乗れるようになるサクセス・ストーリーです。
10.出発 から草もようが行く
これは完全に大人向けの一冊。
戦争が終わった直後、生き延びたものの抜け殻のようになってしまった浩。
「お国のために死ねと言われてきたのに、今日からは生きろと言われても、どう生きたらいいのかわからない。」
そんな浩が、姉の結婚の荷物を品川から松戸までリヤカーで運ぶことになり、道すがらの人々の温かい声で再生していく物語です。
読みながら途中で泣いてしまって、声が震えて読めなくなってしまいましたが子どもたちは「きょとん・・。」。
幼児にはわかるわけがありませんし、小学生でも難しいと思います。
戦争は、生き残った者にさえ深い傷を負わせているということを忘れないために、読み継がれて欲しい絵本です。
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11.しゅんかん図鑑
シャボン玉が割れる瞬間。ミルククラウンができる瞬間。などさまざまな「しゅんかん」と写真でとらえた一冊です。
わが家は図鑑をよく見る習慣があり、福音館書店の「かがくのとも」も読んでいるのであまり新鮮味がありませんでした。
でも、初めて見る子には面白いと思います。
12.大根はエライ
ありとあらゆる大根料理が出てくる絵本。大根が食べたくなります。
毎日の食卓に大活躍なのに、謙虚な大根はエライ!
13.たくはいびーん
ことば遊びの絵本です。
荷物の「た」を抜いてしまう「たぬきびん」、「こ」をとってしまう「ことりびん」など、楽しく読める一冊です。
14.たぬきの花よめ道中
田舎のタヌキが都会のタヌキに恋をして、お嫁に行くその道中のお話。
一族で人間に化けて、"へんぴな"繁華街やビル街を抜けていきます。
タヌキ目線の会話がおもしろい一冊です。
15.なずずこのっぺ?
「なずずこのっぺ?」は昆虫語。
全編、昆虫同士がなぞの言葉で話しているという、斬新な絵本です。
でも不思議なことに、なんども読んでいると意味が解ってくる??
「なずずこのっぺ?」は、「これなんだ?」で
「ルンバボン!」は、「花」かな?
親子・きょうだいで盛り上がることまちがいなしの、楽しい絵本です。
16.なまえをつけて
谷川俊太郎書下ろしの詩と、いわさきちひろの描いた子どもたちの絵のコラボレーション。
いろんな表情の子どもたちが、「なまえをつけて」と語りかけてきます。
いつ見ても心が安らぐ一冊です。
17.ねこはまいにちいそがしい
ある家族に飼われた飼い猫が主人公。
のんきそうなペットのねこがどうして忙しいのでしょう?
ねこはねこなりに、家族のためを思っていろいろ働いているのです。ときどき邪魔をしていることもあるけれど(笑)。
かわいくて、ねこを飼いたくなります。
18.バッタロボットのぼうけん
バッタロボットの詳細と、まわりの生きものの精密な描写。
字は少なく、読むというよりは"観察"して楽しむ絵本です。
生きもの好きな子だったら飽きずに眺めているでしょうね。
19.ふねのとしょかん
ねずみの子が初めて乗る「ふねのとしょかん」。
本を楽しみながら、川から海への周遊旅行。思いがけない出来事もあり、楽しいお話になっています。
20.へっこぷっとたれた
おならという、子ども受けまちがいなしのテーマを持ってきた作品。
中身は、リズムがあって楽しいですが赤ちゃん向けです(^-^;。
21.ぼくはアイスクリーム博士
アイスクリームが大好きな主人公は、計算も文字も歴史もあらゆることをアイスクリームから学んでいきます。
たしかに、子どもの「ハマる」力ってすごいものがありますよね。
くだらないとか体に悪いと切り捨てずに、子どもの興味に寄り添ってあげると、意外な才能が開花するかもしれません。
22.ママが10にん!?
いつも忙しいママ。子どもの妄想の中で、ママが10人に⁈
子どもなら、だれもが一度は妄想することなのでしょうか。4才長男がまじまじと読んでいました(笑)。
23.もぐらはすごい
もぐらの生態を、かわいいイラストで、でも本格的に描いた絵本。
動物好きの長男の大好物の本です。
24.わたしたちのたねまき
植物のたねは、子孫を残すためにいろいろな方法で広がり、生き延びようとします。
自分の力で飛び出すたね、風や動物や人間を使って運ばれるたね。
とてもためになる絵本ですが、わが家の子どもたちは知っていることばかりだったようです。
自然科学系の絵本をあまり読まないお子さんにはぜひ。
投票したのは?
『あめだま』と『なずずこのっぺ?
』で最後まで迷いましたが、子どもたちが一番楽しんでいた『なずずこのっぺ?
』に投票しました。
2月28日まで、公式ホームページから投票できます。
こちら➡http://www.dokusyokansoubun.jp/ehon/nominate_books.html
結果発表は3月下旬です。楽しみです(*^^*)。
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