”レッドカードとホワイトカードを合わせて9876枚買って9人で同じ数ずつに分けます。一人ずつのカードが、半分はレッドカード、半分はホワイトカードになるようにするには、最高で何枚、最低でも何枚のレッドカードを買わなければいけないでしょう。”
これは糸山泰造先生の、『どんぐり倶楽部』の良質の算数文章問題・小学校2年生コースの中の1問です。
すぐに解けますか?
まず、最高で最低でってなに?
同じ数で分けるんでしょ。なんで幅がでるわけ。
となってしまいますよね。
しかし、この問題意味わからん~と投げ出す前に、手を動かしてやってみましょう。
9876枚を9人で同じ数に分けるから、
9876÷9=1097あまり3
あまりが出てしまいました。
この3枚はどうすんだ?
あ、そうか。配らないのか。
そうすると、ひとり分1097枚のうち半分がレッドカード。
1097÷2=548あまり1
あれ?半分に分けられない。
そうか、じゃ配るのは1096枚になるんだな。
1枚は配らないんだ。それが9人分だから1×9=9枚。
この9枚と、最初に余った3枚を合わせると12枚。
この12枚は、配らないからレッドでもホワイトでもいいんだね。
ひとり548枚のレッドカードを持っていて、×9で4932枚。
これは最低限必要な数。
余りの12枚が全部レッドだったとしたら、4932+12=4944枚。
こちらが最高の数。
答え.4932~4944枚
順を追って考えていけば、難しいことはありません。
でも、大人の私でも最初に読んだときは「?」となってしまいました。
「同じ数ずつに分ける」と書いてあるけど「あまったらどうするのか」が書いていない。
「半分はレッドで半分はホワイト」と書いてあるけど、「奇数だったらどうするのか」が書いていない。
書いていないことも、自分で判断して読み取らなくてはいけないんですね。
問題を表面的に読むだけでなく、想像力を働かせて行間を読む。
これじゃまるで国語の読解問題じゃないの!
長女の塾の先生がおっしゃるには、大学受験を控えた理系の高校生でも、数学の問題の「意味が分からない」という質問がよくあるそうです。大学入試ともなると、数学なのに問題が『抽象的』だったりするのだそうです。
算数でも数学でも問題は日本語で書かれているので、日本語の理解力は必ず必要になってきます。
つまり、国語ができなければ算数ができるわけがない!ということです。
国語を侮ってはいけません。
そのことを再認識させられた問題でした。
いや~いい問題だ!
糸山泰造先生の『どんぐり倶楽部』は年長さんから小学校6年生まであります。
A4用紙の上の方に文章題が1問だけ書かれていて、下の白紙部分に自由に絵を描きながら解こうという問題集です。
子どもの考える力を最大限に伸ばしてくれる良問ぞろいで、100問で3000円とお値段は高めですがおすすめです。
『スーパーエリート問題集』(文英堂)には付録で20問ほどついているので、そちらもよいかもしれません。(*^^*)